管の長さが、そのまま音の高さです
尺八には調整するところがありません。糸巻きも、可動の駒も、リードもない。音の高さは竹の長さで決まっていて、それは変えられません。
名前がそのまま寸法です。一尺八寸(約 54.5 cm)だから 「尺八」で、この長さの筒音——五つの孔をすべて塞いだ音——は およそ D4 になります。
ということは、メーターが測っているのは楽器ではありません。あなたの息と、首の角度です。
ロツレチリの五音です。甲(かん)は同じ運指を強い息で吹いた 1 オクターブ上。ほかの長さをお持ちなら、下の表の分だけ全体がずれます。
長さが変われば、全部変わります
管が長いほど低くなります。一寸(0.1 尺)でおよそ半音—— これが尺八の音域が長さで呼ばれる理由です。
| 長さ | 筒音(ロ) |
|---|---|
| 一尺六寸 | E4 |
| 一尺七寸 | E♭4 |
| 一尺八寸(標準) | D4 |
| 一尺九寸 | D♭4 |
| 二尺 | C4 |
| 二尺一寸 | B3 |
| 二尺四寸 | A3 |
古典本曲では長い管が好まれ、三曲合奏や現代曲では一尺八寸が標準です。 どの長さでも運指の呼び名(ロツレチリ)は変わりません —変わるのは、その名前が指す実際の高さだけです。
メーターの、正しい使い方
- まず筒音(ロ)を確かめます。 五孔すべてを塞ぎ、 楽な息で吹いてください。一尺八寸なら D の近くに来るはずです。 極端に低いなら息が弱いか、孔が塞ぎきれていません。
- ロツレチリを順に、伸ばして読みます。 どの音が高めに、どの音が低めに出る癖があるかを控えてください。 これは楽器の個体差でもあり、あなたの構えの癖でもあります。
- メリの深さを数字で覚えます。 ツのメリ、ウのメリを 「だいたい」ではなくセントで把握しておくと、合奏で合わせやすくなります。
- 甲(かん)に上がったときのぶら下がりを見ます。 息の切り替えが足りないと、甲の音は低く出ます。
よくある質問
自分の尺八が何尺何寸かわかりません
吹いて調べるのがいちばん確実です。五孔すべてを塞いで 楽に吹き、その音を読んでください。D なら一尺八寸、C なら二尺、 E なら一尺六寸です。竹には個体差があるので、多少ずれていても いちばん近い音で判断して構いません。
ずっと音程が低いのですが
最初に疑うのは息の速さと、歌口に当てる角度です。次に孔の塞ぎ残し — 指の腹でわずかに空いているだけで大きく下がります。 この二つを直しても低いままなら、顎をわずかに出して(カリ気味に) 構えてみてください。初心者は無意識にメリ気味に構えていることが よくあります。
西洋の楽器と合わせられますか?
できます。一尺八寸は D 管なので、そのまま合奏に入れます。 ただし相手が A = 442 Hz なら、全画面のチューナーの設定で基準ピッチを そちらに変えてから確認してください。尺八の側には合わせる機構がないので、 差は息と構えで吸収することになります。